Panasonic LEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPH.
30年の蝶撮影の中で最初に躓いたのは(壁は)望遠の画角での
マンネリ化を打開する為に魚眼に手を出してしまった事。
望遠での擬似立体を平面上に表現する為に、前後のボケの構成、中望遠マクロでのやや引いて背景を入れる等では根本的な変化は望めないが故の、大幅な画角変化による見た目の変化を期待する空想的、若しくは希望観測的な思いで、魚眼レンズを購入する。
が、世の中そんなに甘く無く広角系レンズの中では比較的撮影倍率も高い魚眼レンズなのだが、撮影の技術以外の難問をクリア出来ない!兎に角近づけないのである!必ず蝶は飛ぶ、笑。
(クロツをこんなに大きく撮れて空も切り取れるのは初)
経験値で言うとワーキングディスタンス
1m→70cm→50cmまでは身体の動きに
気を使う位でどうにかなるものだが40cm→30cm
辺りから飛ばす割合が増して来て20cm→10cm→5cm
からは、ほぼ100%飛んで行ってしまう(各cmはレンズ第一面からの距離でフードがあればそのフード先端からの距離である)血気さかんな若い時は蝶の生態にも詳しく無くガムシャラに活動期の蝶に突進して行き
その日の撮影枚数ゼロなんてのは日常茶飯事。
(閑話休題:最短撮影距離、最大撮影倍率は何もセンサーからの距離であり、最短6cmのレンズがあるとしてそのレンズの鏡胴(長さ)が8cmあれば絵に描いた餅の如く6cmでは撮れない、しかしフードが2cmあるのならばフードを外した状態でレンズ第一面にあたれば
6cmで撮れるが、現実的ではなく(ワーキングディスタンスが0)画像の構成上の特別な表現でない限りあり得ない)
撮りたいと言う自我よりは至って暇がありすぎるので
諦めず、魚眼で近づく事5〜6年で、(その頃には早朝やら羽化直後、はたまた天候、気温の違いによる蝶の活発、不活発な生態も知見が貯まりだした)で、その頃は長極まれば短、短極まれば無、何ぞと新陰流、中条流の道歌如きを嘯いておりました、笑
所謂、レンズ前面3cmが出来る様になれば(そんないつもは出来ないけれど)そこそこ撮影倍率のある広角であれば広角マクロ(背景を取り込む蝶画)が出来るようになる。
(ISO200.F4.9709.1/160sec)
が、10年程前から広角系でもボケが欲しくて、大口径広角マクロに挑戦し
(魚眼は背景がハッキリしすぎるから、背景を大口径レンズや近寄って蕩けさせるに)
またまた今年からは
寄りすぎて背景の持つ味を半減させないよう、蕩けさせすぎず滲みに留めたいみたいな、多少蝶の大きさは小さくても(スマホの画面だと一層小さく感じるがA3ノビや32インチモニターで見た時にしっくり来る塩梅)超広角特有の広がりの背景の雰囲気を出せる様に精進しております。
(ISO200.F1.8.1/1600sec)
いつもの如く中々本題に入らない、笑
で、本レンズであるが、まず最初に思った事は
近接解放でも凄く切れる(シャープ)構図を考える中で、ほぼ実写中にそんな状況に迫られる事はないのだけど、試しに本レンズの売りである0.25倍(換算0.5倍)をやって見たが流石に解放1.7では被写界深度が浅すぎてシジミ類では一部にしかピンが来ず周辺も少し流れる。が、画質の眠い感じは無くピントの芯の部分はシャープである。(因みにPanasonic25/1.7も結構使ったが、解放からf2まではシジミ類だとシャープさの認識が出来ない、まあ値段を鑑みれば当たり前と言えば当たり前、ズイコー17/1.2は値段通り、笑、最近接、解放でも見事に解像する)で、そんな2本のレンズ
と比べたら25mmより3倍はシャープ、17プロに比べて見ると解像感の線の太さの違い位しか差はない(主観よ主観)ボケは硬いが、そこは全然我慢できる解像一筋30年!逆光耐性も悪く無くて、後悔しない高撮影倍率、しかも大口径超広角である。(ただし近寄って蝶を大きくすればする程、背景は狭くなるので、モンシロ、タテハ辺りは30mmで少し引いたモノと同じ風になり超広角の表現が翅の歪みだけになると言う本末転倒的な、笑)
(ISO200.F9.1/250sec、流石に9まで絞ると小絞りボケが出てきて、少し眠くなってくる)
で、最後に疑問に思った事を、
材質をプラにすればこの価格で出来るのか!
という事はライカ名外すともっと安くなるのか?(笑
じゃあエルマリット200もプラにして貰いたい、笑
撮影と言う画像を撮る遊びが、特殊な趣味となり
その中で頑なに金属の質感に拘る人は果たして多いのだろうか?価格が安く性能が良ければ、趣きは無きにしても僕は大歓迎なのだが。
と言いつつ見て、触って、ピントリング回して質感を愛でるのも良いのだけど、僕の中では、そちらは刀剣鑑賞と同じ分野なので、態々質感を愛でる為に本家ライカのズミルクスを購入する経済的背景は勿論無いので、実写は軽くて性能の良い道具としての使いやすさ重視を常日頃標榜している。
(ISO1600.F3.5.1/2500sec)