ゼフィルス翅表色彩私見
構造色ありきの翅表は30年ファインダー越しに
付き合っていても常に難解
時に単純な色彩変化を見せ飽きる事が無い
(近年は早起きが出来ず翅表より翅裏の
色彩に興じる事の方が多いが)
初心の頃(蝶も、撮影も)私自身も迷い込んだ
色と言う独立した単一な認識の固定観念があり
この最初の勘違いから夢想や空想に膨らみ
正確な色彩の表現から逸脱した思いがある
(逸脱と書いたが、それもある意味正確な色再現と言えなくも無い笑)
撮影者、採集者の中には、必ずと言って良いほど
ミドリシジミ類における色彩の感覚的
マイブルーやマイグリーンが存在する。
3〜4年もゼフィルスと付き合うと
話題になるのがメスアカとナミミドリのグリーン的発色の難しさ、次にヒロオビの金緑色の難しさ
最後にキリシマの青色転び
大体そんな感じだと思う、かく言う私も
同好の士と同じく、少ないチャンスの中で
一喜一憂したものである。
これも、今思えば光を光としてのみ(明るさの強弱)
認識したり、色を独立して考えると言う
複数の事象によって密接に結果が変わるという
根本的な思考が無かった為である。
ようは色憚らず反射光の賜物であり
光の反射に対する鱗粉の構造や角度、強弱、質、
コレによって、転んだり、転ばなくなったり(色彩変化)
すると言う事なのである。
蝶を撮ってる訳であるが、何十年もやれば
門前の小僧程度には達者になってくるものだし
初級時の漠然と対象に撮らして貰うから
こう撮りたい、あそこで撮りたい中級を経て
生態も詳しくなり、その恩恵で構図の妙は
出せて来て、光線の状態を理解応用出来れば
色彩再現もそこそこ出せるようになると思う。
光の鱗粉への干渉から起こり得る大雑把な
ゼフィルスの色カテゴリーであるが
緑色系と青色系に分けた場合、余り光の角度や強弱に左右されない色を出しやすいグループと微妙に変化する光や常識的な角度ではなかなか思っている
(所謂図鑑や自分の認識等の部分の観念色)色が出し難いグループが存在する。
また、青、緑系でも地色(単純な光で簡単に出る色)
が濃い種と薄い種類があり
あくまでも私見ではあるが
エゾとハヤシとウラジロは同じ地色だと思うし(コレを言うと目の効きも悪く思い入れ激しく経験値も少ない知人はウラジロとハヤシは違うしまたハヤシとエゾも微妙に違うなどと仰る、笑、)
オオミドリとジョウザンもまた然り
ただ、フジミドリはどの青色とも違う中々悩ましい
青色だとは思う(笑
緑色系だとアイノとヒサマツは雑な光線状態でも
しっかり緑色や黄緑色が出るが、ナミミドリを頂点とした
キリシマ、メスアカは直ぐ青色に転んでしまう
出し難いメスアカとナミミドリ、キリシマ等
結論を言えば地面で開いている個体を
真上から抜くと綺麗に緑色がでる。
不思議ちゃんなのはヒロオビ、図鑑にも
表記されてる金緑色であるが、
ちょー新鮮な個体では
鱗粉が乾ききってないのか青色で、
そこそこ新鮮な個体は緑が強く、
やや新鮮から少し擦れ出してから
金緑色になって行く様な塩梅
まあ、大雑把に言えばマイ構造色を再現したければ
直角の俯瞰に近ければ出しやすいのだけど
構図が完全地べたになるから、構図の変化には乏しすぎて萎える
そも、開翅の撮影は縛りがキッチリ存在するので
再現色の光プラス背景の違った光(コレは翅の輝く光が一定で即ち太陽のメインライトの位置が決まってしまうので、背景の光線状態もそれに起因して引きずられてしまう)と言った2種の混在した光では撮れないから、
技術が向上して(光の種類を積極的に使え出すと)裏面に走りだすのは
ある意味撮影技術における正常進化だとも言える。
ブログのフロク:
いにしえの熱いゼフィルス撮影行は鳴りを潜め
起きれない心の弱さと共にあっという間に
梅雨時のシーズンが終わる
ここ20年努力なしで早起きもせず、撮影出来るのは
毎年観れるけれど色々吟味して
証拠撮影にしかなんないので
撮らない種にメスアカ、アイノ、ヒサマツ
それでも、フィールドに居ればラッキーな出会いもあるわけで、昨年はアイノとヒサマツとフジが地べたにいたし(翅も広げてた)
特にフジミドリなんかは一応毎年生息地に行くのだけれど、この道のりが険しく相当気分と体調が練り上げられてないと辿りつけない(笑
で、たどり着いても不在とか
身も心も折れるからフジはとても難しい
毎年正月が明けると2月が来て、あっという間に
4月になる、同好の士の皆様と同じく梅雨の時期に
思いを馳せながら
ちゃん、ちゃん。