butterflytakaji’s blog

道楽であるシーズン中の撮影とオフのモンハンの繰り言

私的な画像質感論

質感: (texture) は、モノの表面、手触りなどを指す概念である。本来は織物の質感を意味する

とある

静物写真の場合、金属の表面のざらつき

又は滑らかさ

若しくは凹凸、光沢(非光沢)、それらを

忠実に再現した画像が質感のある

写真であると思っている

質感への基本的な撮影アプローチは、

情緒的かつ抽象的に言えば

細かく丁寧に(精密)に撮る

精密に撮ると言う事は

まずは解像感、それにライティング

この表裏一体無くして 質感と言う

表現は無理だと考える

f:id:butterflytakaji:20200826163703j:image

f:id:butterflytakaji:20200826163717j:image

ならば、まずは、解像感から

 

焦点の正しい結像(ピントの山を捉える)

そのピントの山からの

絞りの変化による、被写界深度の深さの理解

それに伴い絞りを小絞りにした場合の

限界被写界深度

各レンズにおける回析による不鮮明さの理解

センサー面に対しての被写体の

正対性による被写界深度の浅深度

意識的なライティング(光による反射の強弱、色彩の濃淡と飽和)による

凹凸や陰影の雰囲気、色彩の再現

技術的な面は取り敢えず

こんな物だと思う

これを野外の生き物でやるとなると

中々に難かしい

僕の場合蝶であるが

活発な活動期には中々にチャンスは無く

それでも、

不活発な気温、天候、状態(羽化直後であるとか、その後の翅を伸ばす行為中であるとか)

そう言うチャンスに出くわす事は多々あるし

野外での要諦は自分勝手な時間で撮らず

そう言った不活発な場合を狙って動くという事

それと共にフィールドに

何日滞在できるかにもかかって来る。

偶然の中での質感描写は成り難く

ある程度の忍耐と滞在日数と早起きと

撮れそうな種の生態知識等を踏まえた

限り無く必然に近い心構えとアプローチで

撮れる確率が上がって来ると考えている

ようは、蝶にどれだけ合わせられるか

待ちつづけられるか(笑

f:id:butterflytakaji:20200826163739j:image

f:id:butterflytakaji:20200826163750j:image

質感の実践

その1  キッチリとフォーカスを合わせる

細かく言えば被写界深度内の合集

じゃなく、山を捉えるジャストなフォーカス

 

その2  兎に角、被写体との並行、これに

小絞り(解析が出ない範囲の最小絞り)を

加味して深い被写界深度を実現する

 

その3  ブレは風による被写体ブレも含め

手ブレ、上体ブレによる軽微なブレも厳禁

機材の手ブレ補正を過信しない

制約が無ければ三脚と手ブレ補正の併用

 

で、ここまで出来てそもそも

序の口と言うか此処からがまた難しい

光(ライティング)を活用する事

今度は凹凸の質感よりも大切な

色彩の再現性に関わってくるからである

その1.主の被写体(僕の場合蝶)の

適正な露出

画像全体の露出の適正さじゃなく

あくまでも全体の何分の一かを占める

蝶のみの正確な適正

EVFだと視認できるから先ずは

肉眼との差を補正によって近付ける

それがやれるようになれば

次に記憶色の為の光の位置を変えて

色の変化を確認して行く

(一例として裏面の複雑な色の再現は

透過してしまう逆光で撮ると色味が出ないとか

鱗粉の厚い?種だと逆に逆光で透過しないから順光より白トビしない等しかし、これも種や光の上体によって千差万別なので一概に公式化はほぼ無理)

最初は逆光、斜め光、サイド光、順光などの

光の大まかな捉え方で実践して(それに伴う太陽、曇り空の照度の違いの位置の確認)

次に各種の逆、順、斜、横等の

大まかな光の中での

個々の反射の角度、太陽の高さやその時の光の粒子(大袈裟、笑)の降り注ぎ、屈折、角度を

考えていく(感じる)、さらに、鱗粉の密度と反射やプリズムを見極められるような実践経験

(例で言うとツバメ♀、クロツバメシジミ等の翅表面の光の角度によるプリズムの出現、これ等は反射だけじゃ無く鱗粉の密度にも関係してくる事なので、だんだん翅が劣化して鱗粉の層が薄くなるとどう角度を弄ってもプリズムは淡く、最悪、出現しない)

ここまでの光と鱗粉の反射とかを考えても

種を限定してると中々撮れないし

日数ばかりが経過するから

基本僕は光を第一義に考えて

選んだ光に来る蝶、種はなんでもウェルカム

の考えで近年はやってる

f:id:butterflytakaji:20200826163824j:image

で、無理やり纏めると質感とは

蝶で言うならば縁毛が分離し翅脈が浮かび

目から翅全体がシャープで

色再現も整った状態の画像かなと

思ってる

 

ちゃんちゃん!